屋久島ガイド・地域情報 | |
屋久島は周囲約132キロメートル、面積約505平方キロメートルの島です。屋久島の大部分を形成している花崗岩は、約1400万年前に地下十数キロメートルの深さでマグマがゆっくりと冷え固まってできた岩石です。花崗岩マグマは密度が小さく軽いため、少しずつ浮き上がって来て九州で最高峰の山がある現在の屋久島になりました。屋久島の温泉は、地下にしみ込んだ水が花崗岩内部の熱により暖められ湧き出していると考えられています。 暖かい黒潮の本流に囲まれ急峻で山の高い屋久島では、近海からの水蒸気が山の斜面を上昇して雲となり多量の雨を降らせます。この雨のお蔭で屋久島には豊かな森林が広がっています。雨はいくつもの川となり、滝を作りながら海に向かって谷間をかけ下ります。海に入り込む川の水には豊かな森から運ばれた栄養分がたっぷりと含まれています。その栄養分によって海藻やプランクトンが育ち、更にそれが様々な魚介類の餌となり、屋久島の豊かな海を作り上げています。ここではイルカやウミガメもよく見られます。ウミガメは5月〜8月にかけて産卵のために上陸します。 |
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屋久島は小さな島でありながら亜熱帯から亜寒帯までの地域を含み、植生も非常に変化に富んでいます。約1150種の顕花植物、約350種のシダ類、約650種の蘚苔類が自生し、その中には固有種が約40種含まれています。また屋久島を南限とする植物が約230種、北限とする植物が約70種もあります。スギは屋久島が南限ですが、数千年も生きてきた大木もあり屋久杉と呼ばれています。また森の中ではヤクシマザル、ヤクシカなどの哺乳類から鳥類、爬虫両生類、虫や微生物に至る様々な生物が多様な生態系を作り上げています。 屋久島の自然は人間にとっても山の幸、海の幸といった豊かな恵みをもたらしてくれています。私たちはエコツアーガイドという仕事を通してより多くの人にこの素晴しい自然を感じていただき、日常生活に戻られてからも出来ることから自然と調和していくように努めていただければと願っています。例えばゴミを減らすとか、電気や燃料を節約するといったことの積み重ねが大切なのです。この自然の豊かな屋久島ですら酸性雨の影響や地球温暖化の影響は避けることは出来ません。また島内での公共事業による自然破壊、ゴミ処理問題などまだまだ考えていくべきことが沢山あります。これらの問題を解決しつつ、この豊かな自然が次の世代に受け継がれていくことを願って止みません。 |