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ヤクシマザル(ヤクザル) Macaca fuscata yakui れいちょう [霊長目オナガザル科] 分布:屋久島(固有亜種) ニホンザルの亜種。本土のニホンザルに比べ少し小型で、体毛は密度が低く太くて長い。また雄の成体は髪が真中から左右に分れ、桃割(ももわれ)と呼ばれている。頬袋があり、顔と尻だこが赤く、尾が短いのは本土のニホンザルと同じ。山林に20〜50頭の群をつくって住み、食物を求めて移動する。植物を中心とした雑食性で、果実、種子、葉、芽、茎、花、樹皮、キノコ、トカゲ、カエル、昆虫、クモ、貝などを食べる。屋久島はニホンザルの分布の南限。頭数は1999年の調査で9504〜18890の間とされている。 |
♀と子 |
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林野庁の拡大造林政策により、屋久島では1961年から大規模な照葉樹林の伐採が行われ、スギの人工林に置き換えられた。住処を奪われたサル、シカ、鳥たちは一旦上部の山中へと逃げるが、スギの成長と共にその林を伝わって里に下りてくるようになり、サル、シカによる農業被害や、シカによる貴重な植物の食害等の問題が出てきた。現在電気柵と捕獲により防除しているが、電気柵は2万円/mと高価な上にこまめな管理が必要で、しかも恒久的なものではない。今後の課題として人工林を細かく区分し、その間に動物たちの餌となる下草や雑木を育てるなどの工夫をしていくことで害を防ぐことができ、動物たちと人が共存していけるのではないだろうか。 ヤクスギランドに行く途中では、ヤクシマザル(ヤクザル)がよく車道に出てきます。でも餌を与えると本来の野生を失い、また味をしめて作物などを荒らしたり、人を襲ったりするようになるので、決して餌を与えないで下さい。 |