蜜源・花粉源植物
 蜜源・花粉源植物には在来種と外来種がある。在来種は日本古来の種で、本来の自生地で野生状態の種、またはその付近で栽培されている種である。外来種は時代や経緯を問わず、本来の自生地以外に持ち込まれた種で、元々自生していなかった島嶼への移入等、国内移動を含む。典型的な外来種としては帰化植物があげられるが、セイヨウミツバチの主な蜜源・花粉源となるゲンゲ(レンゲソウ)、ハリエンジュ(ニセアカシア)等も外来種であり、その蜜はそれぞれレンゲ蜜、アカシア蜜と呼ばれる。これらはセイヨウミツバチを含め全て外来種由来となるが、皮肉なことにいずれも日本国内生産量の上位を占めている。

 ただし、決して外来種の全てを否定するのではなく、周りの自然を十分残していける規模の農園、公園、庭園等における栽培植物(農薬散布等の影響を含む)、飼育管理下におけるセイヨウミツバチ等、在来種(動物を含む)を脅かさない範囲内であれば、特に問題はないことを申し添えておく。

 セイヨウミツバチに対し、ニホンミツバチの蜜源・花粉源は実に多様であり、日本の森を豊かに保つことはニホンミツバチの繁栄に直結する重要な課題だ。近代に入り、森林伐採、殺虫剤(作物への農薬散布や林野庁が松くい虫防除と称して行う空中散布等)、外来種(動物を含む)の定着、増加等により、ニホンミツバチやそれを取り巻く生態系は大きく破壊されてきた。ニホンミツバチを飼育することは、そのような現実をしっかりと見据え、日本の森を含む全ての自然を守ろうとする意識につながり、ひいては私たちの心身を健全にし、豊かな暮らしに結び付いていくだろう。

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