甲斐犬 |
甲斐犬の原産地は甲斐乃國(現在の山梨県)の北岳(標高3192m、日本第2位の高峰)の東側斜面、中巨摩郡芦安村(現南アルプス市芦安)だと言われています。この辺りは周囲から隔絶された環境にあったため、甲斐犬は他犬種との雑種化を免れました。いや、20世紀初頭まで日本の山岳地帯に生息していたニホンオオカミと交わり、更に野性味を増していったのかも知れません。甲斐犬は警戒心が強く、運動能力が高く、野性味に富んでいますが、飼主に対しては極めて忠実であり、優秀な猟犬として狩猟で暮らす村の人々の生活を支えてきました。1931年(昭和6年)11月3日には山梨県甲府市で甲斐日本犬愛護会(後の甲斐犬愛護会)が創立され、1934年(昭和9年)1月22日には国の天然記念物に指定されました。しかし甲斐犬の愛好家たちは流行に乗ることを好まず、知る人ぞ知る犬となっていきました。現在でも、国指定天然記念物の日本犬7犬種(現存は6犬種)の中では比較的数が少ない犬種です。 甲斐犬は標準体重10〜18kg、標準体高40〜50cmの中型犬で、毛色は黒と茶の割合によって黒虎毛、中虎毛、赤虎毛の3通りに分けられています。無駄吠えをせず、無駄な動きが少なく、体格の割に食べる量が少なく、体臭が少ない犬種です。被毛はダブルコートで暑さ寒さともに強く頑健な犬種です。世界記録には達しませんでしたが、芦安村には28年10ヶ月生きた犬がいました。記憶力も優れていますが、嫌なこともずっと覚えているため、育てるにあたり嫌な思いをさせないように細心の注意を払う必要があります。例えば猟犬として育てたいのであれば鉄砲の破裂音に馴らす必要がありますから、初めは遠くの方で爆竹等を1発だけ鳴らし、様子を見ながらだんだん近付けていき、その後2発、3発から徐々に連発へと増やして破裂音に馴らしていきます。破裂音と同時に好物を与えるのも良いでしょう。ただし本当に嫌な思いをしている時には好物も口にしませんから、その場合にはもう少しショックを和らげて馴らしていく必要があります。環境等に馴らすのも同様の進め方をします。また家庭犬として他人に優しく接するようにしていきたいのであれば、仔犬のうちから多くの他人に会わせて馴らしていく必要があります。1日3人以上新しい他人に会わせることを目安に、犬好きな人に撫でてもらったり餌をあげてもらったりして馴らしていきます。仔犬のうちは見た目も可愛いので、人通りの多いところに連れて行けば可愛がってくれる人はたくさんいるでしょう。ただし声や態度が威圧的な人に接すると逆効果なので気を付けてください。甲斐犬はこのように多くの他人に会わせながら育てても、生来の警戒心が失われることは殆どないので、番犬としても十分役に立つでしょう。また高い運動能力を活かして一緒に登山、アジリティ、フリスビーなどを楽しむのも良いでしょう。 |
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