******種子島講演会&観察会03-02****** |
2月22日から24日まで、ヤクタネゴヨウの保全活動で種子島に行ってきました。森林総合研究所の調査担当である金谷整一博士による講演、実生苗の移植体験、自生するヤクタネゴヨウの観察会などが開催されました。今回は京都大学生態学研究センター助教授の湯本貴和博士も参加され、貴重な話を聞く機会ができました。屋久島からはヤッタネ!調査隊のメンバー7人が参加しました。ヤクタネゴヨウは歴史的にも種子島家が伐採を禁止するなど、その管理、保全に努めただけでなく、「七尋五葉」のように、かつて西之表市民が誇りとしてきたものがありました。 |
金谷整一博士講演 |
実生苗移植前 |
実生苗移植 |
実生苗移植後 |
接木苗剪定 |
23日午前、西之表市民会館にて、ヤクタネゴヨウのこと、またその保全の重要性などについて金谷博士による講演会が開かれました。その後西之表市役所正面にて実生苗の移植と接木苗の剪定が行われました。実生苗は2002年8月3日、鴻之峯小学校の種を採取して蒔いたものです。皆で土を配合し、1本ずつビニル鉢に移植しました。接木苗は2002年3月9日、市内あちこちのヤクタネゴヨウから穂木を採取し、クロマツを台木として接いだものです。約1年後に台木の弱い枝を1本だけ残し、台木の他の枝を切ると良いということで、今回その作業も行われました。 |
剪定した接木苗と移植した実生苗の前で |
安城の沢のヤクタネゴヨウ |
ヤッタネ!調査隊メンバーと金谷博士、湯本博士はヤクタネゴヨウが自生する西之表市安城の沢の前で昼食をとりました。 |
午後からは安城の鴻之峯小学校に集合し、2つの班に分れて観察会を行いました。1つの班は中種子町犬城に自生するヤクタネゴヨウを、もう1つの班は西之表市安城中割に自生するヤクタネゴヨウを観察しました。 観察会が終った後、また鴻之峯小学校に集まって、今後の展望などを話し合いました。 |
安城観察会 |
昭和25年頃の鴻之峯小学校 |
今回は50年ほど前に鴻之峯小学校に在校していた女性も参加していて、当時の写真を見せてくださいました。それが左の写真です。写真右側の、校舎の屋根にやっと届くほどの細い木がヤクタネゴヨウです。右の写真に同じ木が写っていますが、胸高直径60cm、樹高13mほどの立派な木に育ちました。 |
現在の鴻之峯小学校 |
交流会 |
夜は今回の後援会&観察会の参加者や、ヤクタネゴヨウ保全活動の支援者が集まって、中種子町のふれあいの里で交流会を開きました。 |
中種子町のメヒルギ |
中種子町犬城の馬立の岩屋 |
絶滅寸前のモンパノキ |
場長の案内で圃場を見学 |
24日午前は南種子町、中種子町を観光しました。南種子町茎永の宝満の池にはマガモに混じって珍しいシマアジというカモがいました。宝満神社の中には胸高直径30cmを越える立派なイヌマキやナギの大木がありました。この神社には伝統的に栽培、伝承されている珍しい赤米が納められています。神社の向かい側にある「たねがしま赤米館」も見学しました。 午後からは中種子町野間の国立医薬品食品衛生研究所・種子島薬用植物栽培試験場を見学しました。ここの場長はヤクタネゴヨウの保全にも協力的です。圃場の中には種子島で絶滅寸前のモンパノキも栽培されていていました。 |