生態系を飛行機に例える
 屋久島の小杉谷(大正12年から昭和45年まで栄えた屋久杉伐採の拠点)には昭和46年、東京多摩川上流原産のヤマメが1万匹放流されました。これは本土のブラックバス、ブルーギル、アメリカザリガニ、ドバトなどと同じ人為的な外来種です。外来種はそこの自然に淘汰されてしまうか、逆にそこの自然を消化しながら増加していくかのどちらかです。前記の外来種は全て後者にあたり、自然を大きく変化させてしまいます。自然が大きく変化すれば絶滅する種も出てきます。

 自然の生態系を飛行機に例えて考えてみてください。飛行機はたくさんの部品でできています。飛行機が正常に飛び続けるためには、その部品が付くべきところに付いていなくてはなりません。一種一種の生物がその部品にあたります。外来種とはある部品が違うところに付いてしまったということです。絶滅とはある部品が欠けてしまったということです。また都会のカラスのように、元々そこにいたものでも増えすぎたら問題です。それは部品のサイズが大きくなってしまったということです。このようにバランスが崩れていけば、いつか飛行機は落ちてしまうでしょう。その時は私たち人間も運命を共にしなければなりません。なぜなら人間も飛行機の部品の一つにすぎないのですから。

 「ブラックバスは釣りをするのが面白いから各地でどんどん放流すれば良い」、「トキやコウノトリが絶滅したって私には関係ない」という考え方は、自分が乗っている飛行機の部品を次々に壊していくようなものです。同じ地球上に住んでいる以上、関係ないとは言えないわけです。

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