富山での訓練および審査会
軽井沢でクマ対策犬見学
福岡市での合同訓練
 10月15日から11月2日まで、屋久島の救助犬に関わるスタッフ一同で旅をしてきました。屋久島からは木下大然&雁チーム、平山未来&凛チーム、餅田明人&ピリカチーム、そして夏が参加、途中からOCA(大阪コミュニケーションアート専門学校)のドッグトレーナー専攻の学生3人、夏のハンドラーの井澤啓二他研修生1人が加わり、とても賑やかな旅になりました。

10月15日
 フェリーで屋久島から鹿児島へ。夕焼の中に矢筈岬と口永良部島がくっきりと見え、とても美しい景色の中での旅立となる。

10月16日
 (左)北九州市小倉南区で大然の妹家族と一緒に散歩。左から餅田とピリカ、大然の甥の聖也と夏、大然と雁、平山と凛。
10月17日
 (中央)広島県立びんご運動公園で、バーニーズ・マウンテン・ドッグ、セントバーナード・ドッグなど、たくさんの犬たちと一緒に朝の散歩。(右)公園施設で障害物通過訓練をし、たくさんの子供たちと一緒に遊ぶ。
   

10月18日
 (左)福井県東尋坊で散歩。
10月19日
 (右)石川県金沢市の北陸放送の庭園で散歩。放送局関連会社の北陸スタッフ常務取締役の内田俊夫氏(左から2番目)は、NPO法人石川県救助犬協会連合会理事で、救助犬ハンドラーでもある。
 

10月20日 
 (左)八尾町訓練場で捜索訓練。瓦礫の中に埋もれた人を捜し出して吠える雁。
10月21日
 (右)今年3月にNPO法人日本救助犬協会の審査会で救助犬第1種に合格したサラダとそのハンドラーも加わって合同訓練。
 

10月23日
 (左)瓦礫捜索の審査を受ける大然と雁。(右)群集の中での脚側停座の審査を受ける大然と雁。
 

新潟県中越地震
 審査会の最中に新潟県中越地震があり、急遽出動することになりました。しかしその時点では犬を使う現場が見当らず、また被害の大きい地区は道路が寸断されていて入れませんでした。展望もないのに無理に混乱した地区に入っても、ライフライン確保のための緊急自動車の妨害等、却って迷惑をかけてしまうのではないかということで、結局途中で待機したまま解散しました。
 地震発生から5日目に、土砂崩れ現場でワゴン車の中から2歳男児が助け出されましたが、この時ワゴン車の中に生存者がいることを知らせたのは警視庁の救助犬でした。私たちのグループの犬でなくても、救助犬が役立ったニュースを聞くと嬉しいです。
 被災された皆様には謹んでお見舞い申し上げます。また逝去された方々にはご冥福お祈り申し上げます。そして被災地が一日も早く復旧することを心よりお祈り申し上げます。

救助犬審査会
 10月23日、24日の2日間、富山県婦負郡山田村の牛岳スキー場にて第11回全国災害救助犬認定審査会が行われました。大然&雁チームが出場しましたが、24日は朝から新潟に向けて出動したので、この日の審査は受けることができませんでした。しかし同チームは昨年の審査で救助犬第1種(服従作業、平地捜索作業ができるチーム)に合格していること、今年の審査で服従作業、瓦礫捜索作業において良い成績を修めたこと、また新潟の救助活動に積極的に関りたいという意志を考慮していただけたようで、救助犬第3種(服従作業、平地捜索作業、瓦礫捜索作業ができるチーム)に認定されました。
 新潟から富山に戻った時、今回の審査会の審査員で、日本のトップクラスの訓練士でもある福島愛犬訓練所の大原茂雄氏から、次のようなコメントをいただきました。
「私が初めて雁の審査をした時、『やはり甲斐犬だな、動きが今一つだ、まあこんなものだろう。』と感じた。翌年の審査では、『なかなかやるな、でもまだ少し動きがにぶい。』そして今年の審査では、『もうシェパードやラブにも引けを取らない動きをしている。よくぞここまで訓練したものだ。』プロの訓練士では甲斐犬をここまで訓練することはできない。やはり人と犬との深い絆があったからこそここまで仕上げることができたのだろう。これからも頑張ってほしい。」
 この言葉を胸に、これからも一層努力していきたいと思います。
 審査員の先生方を始め、日本動物専門学院(後、専門学校アニマルインターカレッジ/閉校)富山福祉短期大学他ヘルパーの皆さん、進行係、記録係、設営係等々運営委員の皆さん、ボランティアでご尽力くださり本当にありがとうございました。

10月26日
 長野県北佐久郡軽井沢町のエコツアー会社「ピッキオ」を訪ね、クマ対策犬について詳しくお話を伺いました。昨年5月、第11回環境自治体会議屋久島会議において、ピッキオ代表の南正人氏がクマ対策犬について話題を提供された時から、私はエコツアーの中で「犬を使ってクマを山に戻す方法もある。犬が人の生活だけでなく、自然を守るために役立っている。」ということをよく話すようになりました。長野県小諸市に住む「雁」の父犬「すぐり」のハンドラー山下國廣氏が、ピッキオのクマ対策犬育成に関わることになったのも何かのご縁でしょう。
 ツキノワグマの被害防除と保護管理のための調査・対策事業を軽井沢町から受託しているピッキオでは、クマと人が共存できる道を探り、クマを野生のままに山に戻す方法として、北米で成功している「犬(カレリアン・ベア・ドッグ)を使ってクマを教育する方法」を導入しました。その犬たちは北米では職業犬(サービスドッグ)として正式に認められており、人に対しても友好的に訓練されています。ピッキオではスタッフ2名がベア・ドッグのハンドラーとして選ばれ、今年6月に北米から2頭のベア・ドッグの子犬「ブレット(雄)」と「ルナ(雌)」を導入しました。今年は軽井沢でも何度もクマが里まで下りて来て、早速ブレットとルナが活躍しています。


雌の「ルナ」
 雁より一回り大きくて、とても人懐こく、初対面の私たちにもすぐに打ち解けた。カレリアン・ベア・ドッグは、良く吠えることを除き、甲斐犬にそっくりの性格を持つ。

ベア・ドッグを利用したクマ対策


10月27日
 大阪府茨木市で、私のエコツアーのお客様であり、救助犬の良き理解者でもある“ねこ”さんに会う。
 
 
10月29日
 広島県山県郡千代田町で、甲斐犬を猟犬として使役する救助犬理解者“疾風(はやて)パパ”に会い、訓練に協力していただく。

 猟犬の疾風(左)と戯れる雁。


10月30日
 福岡県福岡市で甲斐犬を救助犬にするために頑張っているチームと合同訓練。写真は箱の中に隠れた人を捜し出して吠える福岡チームの武蔵(たけぞう)。

10月30日
 (左)ハローウィンパーティーに集った子供たちに遊んでもらう。
10月31日
 (中央左)武蔵のハンドラーの家の庭で走り回る犬たち。左から雁、ピリカ、凛、夏、武蔵。(中央右)武蔵に梯子を下りる訓練をする。
11月1日
 (右)福岡市営のフェリーの中で。雁は救助犬ということでマズル(はめ口具)なしでフェリーに乗ることが許されている。
     

 武蔵は昨年に比べると独占欲や喧嘩欲も抑制され、簡単な捜索もできるようになりました。大きな進歩です。これからはヘルパーが武蔵の意識を途切れさせないようにいろいろと工夫して、更に捜索意欲を高めていくことができれば良いでしょう。依然として神経質なところはありますが、捜索意欲などの良い面を延ばしていくことで、それもだんだん気にならなくなっていくでしょう。私たちが滞在している間に梯子を下りることもできるようになりました。初めは梯子を3段ほど下りたところに板を渡してスロープにし、号令とともに下ろそうとしましたが、なかなか怖がって下りませんでした。しかしハンドラーが武蔵の大好きな「散歩に行こう!」という言葉を口にしたとたん、一気に下りてきました。犬の訓練も意外なことで道が開けるものですね。

 10月17日から27日まで一緒に旅をし、訓練を手伝ってもらったOCAの学生からは、以下のような感想文が届きました。
「この間は本当にありがとうございました。研修中、学校では学べない体験ばかりをさせていただき、凄く自分たちの勉強になりました。犬の訓練はもちろん、それ以上に人生において大切な事も教わりました。また是非機会があれば、今度は社会人として屋久島に向かいたいと思います。また宜しくお願いします。OCA研修生一同」

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