犬と人との関わりは大変古く、その歴史は1万5千年前に遡ると言われています。今までに人の様々な目的によって多くの犬種が生み出されてきましたが、その中には感覚や運動能力に優れた野性味を強く残した犬種がいて、MBdogのような目的で使役するには非常に適しています。しかしそのような犬種は繊細な感覚も併せ持っていますので、とても物覚えが良い反面、強いショックを受けるとトラウマになる可能性があります。そのような犬を訓練していくには、まずはハンドラーと犬との信頼関係をしっかりと築いた上で、多くの他人や他の犬に会わせたり、いろいろな環境に馴致させたりしながら、情緒豊かに育てていくことが重要です。
そのために私たちは、「室内で飼うこと」、「毎日3人以上の他人に会わせること」、「いろいろな環境に馴致させていくこと」等の訓練計画を立てて実施しています。室内で飼うことでハンドラーと犬がより深くコミュニケーションを図り、信頼関係をしっかりと築くことが出来ますし、病気などの異常を逸早く察知することも可能です。また多くの他人に会わせることで人当りの良い犬に仕上げ、広報宣伝に活用すれば、MBdogに対する人々の理解を深めていくことが出来るでしょう。いろいろな環境への馴致は、あることが原因となってトラウマになり、肝心の作業が思うように出来なくなることを避けるためです。トラウマは物、音、臭気等、犬の感覚が捉えるあらゆる事物が原因となり得ます。 |