長峯の借家の前にて (1998年11月30日撮影) |
左の写真で一番右のほた木はウラジロガシ(ブナ科)、その左は全てタブノキ(クスノキ科)です。シイタケのほた木にはナラ、クヌギなどのブナ科の落葉樹がよく使われますが、屋久島にはそれらの木はありません。ヤマザクラ、アカシデなどの落葉樹でも良いのですが、屋久島でそれらの木があるのは殆ど標高500m以上の国有林です。そこで里に多いシイ、カシなどの常緑樹がよく使われます。シイ、カシなどは樹皮が薄いのでなるべく太い木を選び、1月中旬頃に伐採して葉を付けたまま1ヶ月程乾燥させます。それから枝を落とし、1m程に玉切りしてすぐに種駒を接種します。その後ほた木内に菌糸を蔓延させるために、保湿をしながら仮伏せをします。普通は十分な撒水をしてからわらを被せ、更にビニールシートなどで覆うのですが、屋久島の場合は雨が多く湿度も高いので、あまり日の当らない林内に井桁に組んで重ねるだけで十分です。5月中旬頃には菌糸が蔓延してくるので、木洩日の入る風通しの良い林内に立て掛けて本伏せします。その年の秋からはシイタケがぼちぼち出始めます。 |