白谷雲水峡(しらたにうんすいきょう)

白谷広場(1998年8月13日)
白谷雲水峡入口の白谷川

楠川歩道(2000年5月3日)
楠川歩道

 
 白谷雲水峡は宮之浦川の支流、白谷川の上流にある面積423.73haの自然休養林で、宮之浦から約12km、標高620mのところに入口があります。照葉樹林からヤクスギ林への移行帯に位置し、屋久島の照葉樹林帯を代表するイスノキ、ウラジロガシ、タブノキなどの大木が見られるとともに、ヤクスギ林帯を代表するスギ、ツガ、モミなどの大木も見られます。

 世界自然遺産地域には入っていませんが、屋久島森林生態系保護地域の保全利用地区に指定されています。しかし道の一部に防腐剤を加圧処理した材やコンクリートが使われているのは残念なことです。
 

 白谷雲水峡では推定樹齢3000年の弥生杉をはじめ、二代大杉、三本足杉、三本槍杉、奉行杉、くぐり杉、七本杉などが見られます。




 楠川歩道では花崗岩でつくられた登山道が見られますが、これは江戸時代に屋久杉の伐採や平木の運搬のためにつくられた道です。木道やコンクリートの道が数年でぼろぼろになっているのに対し、花崗岩の道は数百年経った現在でもしっかり残っています。それに自然に対してのダメージも非常に少ないのです。
 
弥生杉(2000年5月3日)
弥生杉

飛流落し(2003年6月6日)
飛流落し


原生林歩道白谷川支流(2003年4月28日)
原生林歩道白谷川支流
 
 渓流沿いにはサツキ、ホソバハグマ、ヤクシマショウマなどがみごとな群落をつくっています。また白たえの滝、白谷滝、おしどりの滝、飛流落しなど、至るところで滝が見られます。

 楠川歩道または原生林歩道を経て南に向かって登ると白谷小屋があり、更に登っていくと辻峠(標高979m)に出ます。辻峠から南東に向かって15分ほど急な斜面を登っていくと太鼓岩(標高1050m)に出ます。ここは晴れていれば宮之浦岳をはじめとする奥岳を見渡すことができます。また眼下には小杉谷周辺の安房川を望むことができます。

 辻峠から南に向かって下ればトロッコ道の楠川分れ(標高727m)に出ます。ここを右(西)に行けば縄文杉方面、左(東)に行けば荒川登山口方面です。

辻峠(2000年4月18日)
辻峠
 
白谷小屋(2000年4月18日)
白谷小屋
 収容人数約40名ほどの鉄筋コンクリート造りの無人小屋。宿泊する時は寝袋、マット、食料などが必要。トイレは小屋の中に男性用が1つ、男女兼用が2つある。
太鼓岩(2002年5月25日)
太鼓岩より奥岳を望む

 辻峠には手作りのベンチがあり一休み出来ます。この付近では、屋久杉の大きな切株などの土埋木がたくさん見られます。

 辻峠から楠川分れ方面に少し下ると、大きな辻の岩屋があります。岩屋の下は5〜6人ゆったり入れる広さがあり、雨風を凌げます。岩屋の上にはナナカマド、サクラツツジなどの潅木がたくさん繁っています。太鼓岩と合わせ、映画「もののけ姫」のモロ一族の住む岩屋のモデルにもなりました。
 
辻の岩屋(2000年4月18日)
辻の岩屋


屋久島だより(屋久島の素晴しい自然と私たち家族の紹介)
 
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