2000年8月28日
安房樋ノ口
  ウコン
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鬱金>
Curcuma longa L.

[ショウガ科]

原産:熱帯アジア
栽培:インド、マレー、インドネシア、中国南部、九州南部、屋久島など

開花期:8〜9月

薬用:根茎の成分は黄色の色素であるcurcumin、精油成分としてturmeroneなどが知られ、クルクミンは安全な食品着色料として用いられている。またクルクミンは顕著な胆汁分泌促進作用が認められ、精油成分には胆道結石を治療する効果が認められている。更にクルクミンおよび精油成分に抗菌作用も認められている。肥大根の作用は抗菌作用の他、血液中のコレステロール量を低下させる作用が知られている。
▼根茎をそのまま茹でて乾燥し摩擦させて皮を去ったものをウコンといい、カレー粉の主原料となるほか、芳香健胃薬および利胆薬、通経薬、駆お血薬などとし、肝炎、胆道炎、カタル性黄疸、胃炎、月経不順、産後腹痛などに用いられる。マレーシアではウコン粉末を産後の婦人の下腹部や赤ん坊のへその緒の切り口に塗り薬として付ける習慣がある。インドや東南アジア諸国の婦人たちはウコン粉末を化粧品として使ってきた。ターメリック、インディアンサフランとも呼ばれる。

 多年草。根茎は肥大して径5〜7cmの卵球形、2方向に分枝し、左右に4〜5本ずつの指状の根茎を伸ばし、粗大なひげ根を持つ。ひげ根の先端はしばしば紡錘状の肥大根となる。根茎の断面は鮮黄色で強い芳香がある。葉は4〜5枚の葉が2方向に出て基部でさやとなり、互いに抱き合って偽茎を形成し直立する。葉身は長さ50〜100cmになり、長楕円形、先端は鋭尖形、基部はしだいに細くなり柄に流れる。辺縁は全縁で上下両面とも無毛、表面は緑色。高さ30〜50cm位の花茎を葉の間から出し、その先端はやや大型の穂状花序となる。花穂は大きな緑白色の包葉が重なり合い、その間に2〜4個の花を順次開いていく。

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