1998年7月
小瀬田長峯
  トケイソウ(パッションフラワー)
<時計草>


[トケイソウ科]
英名:passion flower

原産:ブラジル南部

開花期:5〜6月
熟果期:8〜9月

用途:観賞用、食用(クダモノトケイソウ)

薬用:ブラジルの民間薬として喘息、百日咳、気管支カタルに用いる鎮静、鎮咳剤。19世紀後期にヨーロッパに導入され、さらに鎮痛、鎮痙作用のあることが判り、現在では神経性不眠症、痙攣、神経痛、神経衰弱症、心臓神経症などの治療にも用いられる。薬としては根、葉、花、果実が用いられる。

 常緑つる性。多くの種類があり、屋久島では果実を食用にするクダモノトケイソウ(パッションフルーツ)の仲間が盛んに栽培されている。和名は柱頭(雌蕊の頂端)の先が3分していて時計の針に似ており、糸状(または管状)の副冠が放射状に出ていて時計の文字盤のように見えることから付けられた。パッションはキリスト受難の意味。この植物の発見者がキリスト教の宣教師で、花の形がイバラの冠に似ていることなどから連想したようだ。現在は情熱の意味のパッションにも解釈されている。


果実の食用、利用法

  • 半分に切り、種子ごとスプーンで食べるか、好みにより砂糖か蜂蜜をかけて食べる。
  • 果実を半分に割り、中の種子ごとスプーンでかき出してガーゼ等で絞るかジューサーにかける。好みにより砂糖、シロップ、蜂蜜等を加え、冷水で薄めて飲む。
  • ジュースはリンゴ、オレンジ、パイナップル、グワバ等と混ぜ合わせてもよい。
  • ゼリー、ジャム、プリン、シャーベット、キャンデー、砂糖漬などの原料。
  • 洋酒、洋菓子、サラダ等の香り付け。

※トロピカルフルーツは全て常温で保存し、必要に応じて利用する直前に冷やす。

木本のトップへ