1998年12月5日
尾之間
  リュウビンタイ
<龍鱗>
Angiopteris lygodiifolia ROSENST.

[リュウビンタイ科リュウビンタイ属]

分布:伊豆諸島、伊豆半島、東海地方、紀伊半島南部、四国南部、九州南部、琉球、台湾

 多湿の深林の林床に生える大型の常緑シダ。根茎は周りに残有する托葉も含めて古いものでは径30cmをこえる。葉は数枚叢生し、高さ3mに達する。葉柄は葉身とほぼ同長、多肉質で径数cmに達し緑色、表面に短い白色の線形模様がある。葉身は広楕円形で厚く柔らかく2回羽状複葉、小さい葉では単羽状のこともあり、羽片を5〜10対出す。羽片は長さ30〜70cm、幅10〜20cm、短い柄があり披針形。小羽片は15〜25対あり、長さ5〜15cm、幅1〜2cm、披針形で鋭尖頭、浅い鋸歯縁、短い柄がある。和名の龍鱗は株の托葉の重なり合う形状を龍の鱗に見立てたものといわれる。漢名は観音座蓮といい、中国ではこの仲間の根茎に含まれる澱粉を利用し、また解毒、止血などの薬用にするという。

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