屋久島に甲斐犬がもう一頭?
 なんと屋久島にもう一頭、しかも雁とほぼ同じ頃に生まれた雄の甲斐犬がいました!この狭い屋久島の中で、何とも不思議なご縁です。その甲斐犬は屋久杉自然館館長の日下田紀三さんが飼っています。名前は島君{血統登録名:島虎(しまとら)号}で千葉県からやってきました。雁と同じころの生まれですが、まだ雁よりずっと小さいです。島君は雄ですが、雁の方が上に乗ろうとして何だか逆のようでした。

 日下田さんは元NHKのカメラマンで、20年前東京から屋久島に移住されました。今でも写真を撮られていて本も何冊か出されています。最近の本では八重岳書房の「屋久島花風景」があります。お住まいは私たちの新居から車で7、8分のところです。また私たちはガイドとして屋久杉自然館もよく利用しています。ついこの前も屋久島のエコツーリズムの現状を調査しに来た方をご案内したところでした。その時は甲斐犬を飼っていることなどお互いにちっとも知らなかったので話題にも出ませんでしたが……。

 雁はどの犬に対しても積極的なのですが、中にはそれをわずらわしく思う犬もいます。でもある程度付き合えば雁も相手に対してどこまでは許されるのか考えるようになるので問題ないと思います。島君とはお互いにじゃれあっていてかなり良い関係だと思いますが、やはり雁の方が少しはしゃぎすぎて時々島君に怒られていました。

 この時期は子犬の心理的発達にとって最も大切な時期です。その時期に隔離して育てると、一生涯他の人や犬との正常な付き合いができなくなってしまう恐れがあります。とくに警戒心の強い甲斐犬ではこの弊害は大きくなります。多少のリスクはあっても、早い時期から外の世界に馴らし、多くの人や犬に会わせてあげることが大切です。生後2ヶ月くらいまでは母犬の元で親子や兄弟の序列を学ばせ、それ以後は積極的に外に出していろいろな体験を積ませると、情緒的なバランスの取れた犬に育ちます。
 
島君(左)とじゃれあう雁(右)

(2001年4月3日)

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