南日本新聞 2019年(平成31年)2月23日 土曜日
かごしま書きある記 共同通信・宇佐見悠
説明責任
 鹿児島県のホームページでは、三反園訓知事の記者会見の動画と発言録を見ることができる。多くの回で質疑が繰り返されてきた事柄の一つが、約2年半前の知事選で脱原発の「政策協定」を結んだ平良行雄さんとの面会に、知事が応じていないことについてだ。
 三反園氏と平良さんは反現職票が割れるのを防ぐため、原発を「廃炉」にする方向で取り組むとの協定を結び、平良さんが立候補を辞退して候補者を一本化した。並んで会見した記録も残っている。
 知事となった三反園氏は九州電力に川内原発の停止を要請、安全性を検=証する専門家委員会を設置した。ただ委員会が「熊本地震の影響はない」と報告すると、「現状では強い対応は取らない」と早々に稼働を容認した。判断に至った経緯の説明もほとんどなかった。
 選挙のために利用されたのか」。平良さんは何度も面会を求めた。直接電話をかけ、担当課に要請したが、応答は一切ないままという。結局、知事の姿勢を議場で直接ただそうと、今春の県議選への立候補を決めた。記者会見では、「直接会って話すべきでは」との質問に、知事は「必要がある方には、どなたでもお会いする」と答えにならない回答を繰り返すばかり。平良さんは「会う必要がない方」ということなのか。不都合なことから逃げているようにしか見えない。
 知事は会見でも県議会でも、質問にきちんと答えようとしないことが度々ある。鹿児島港本港区の再開発や新総合体育館建設と、県は大規模な計画を進めようとしている。今こそ、説明責任を果たすよう強く求めたい。



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