南日本新聞 2016年(平成28年)7月12日 火曜日 3面
 10日投開票された鹿児島県知事選で初当選した元テレビ朝日コメンテーター三反園訓氏(58)が11日、南日本新聞のインタビューに応じ、県内初の民間出身知事として常識にとらわれない発想で県政に臨む考えを示した。(聞き手・小田裕徳報道本部長)

鹿県知事当選・三反園訓氏に聞く
初の民間 柔軟発想で時代開く
川内原発 停止要請の時期未定

 ─選挙戦の感想は。
 「県民とじかに接する大切さを感じた。選挙では風と流れをつくることが大事。自分の思いを伝えられるかどうかで決まる。心を込め『鹿児島を変えたい』と訴えたことで、県民の心が動き、支持が広がった。だから草の根で組織に勝てた」
 ─初の民間出身知事となる。
 「官僚の発想でなく民間の発想で引っ張る。何かやろうとしても『そんなのできるわけがない』という人が多いが、これではだめ。民間なら、どうやったらできるかという発想になる。常識にとらわれない発想と勇気がないと次の時代を切り開けない。県職員らの意識を改革し、アイデアを出してもらう。これだけでも鹿児島は変わる」
 ─何から取り組むか。
 10年計画で、すぐにできるもの、長期的に行うものに分けて取り組み、県民の所得を上げて生活をよくしたい。重点的に子育て支援、人材育成、教育に取り組む。女性の活躍できる社会づくり、高齢者福祉の向上、若者の雇用支援にも力を入れる」
 ─熊本地震を受け、「川内原発は停止して点検すべきだ」と主張してきた。九州電力にいつ申し入れるか。
 「(当選したばかりで)まだ、いつとは言えない。ただ、熊本地震を受け、県民が不安に思っている。県民の思いに応えるのがトップの役割。(九電に)要請するのは当たり前だ」
 ─大型施設整備構想の財源をどうするか。
 「どうすれば造れるか考える。例えばドーム球場はプロ野球を呼べて経済効果が生まれ、天候に関係なくイベントも開ける。3万人くらいの観客が入れるようにすれば一流ミュージシャンのコンサートもやれる。命名権を複数に分け、販売する方法もある」
 ─県議会最大会派の自民党県議団は対立候補を推薦したが、県議会対策は。
 「戦いが終わればノーサイド。対立からは何も生まれない。建設的に、県民のためにどうすればいいか考えるのが政治だ」
 ─県民に今、呼び掛けたいことは。
 「一緒に鹿児島を変えていこうということだ。鹿児島をどうすればいいか一緒に前向きに考えるため、どこにでも行く『車座知事』となり、県民が主役の県政を目指す」

写真:初当選から一夜明けて、インタビューに答える三反園訓氏=11日、鹿児島市城南町(堀浩明撮影)



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