1999年3月28日
西部林道
  ナンゴクウラシマソウ
<南国浦島草>
Arisaema thunbergii BLUME

[サトイモ科テンナンショウ属]
サトイモ科の花は無柄で肉質の花茎の表面に付き、肉穂花序を作る。花序の基部には大型の仏焔苞(ぶつえんほう)が付く

分布:本州(中国地方)、四国、九州

開花期:1〜3月

 平地から低山地のやや湿った木陰に自生する多年草。地下茎のまわりには子いもが多く付いている。ふつう葉は1枚。花序は葉柄の下部、高さ7〜15cmほどの所から出ており、長さ10〜20cmの花柄の先に付いて仏焔苞に包まれている。花は雌雄異株で花序軸の下部に1個ずつ離れて付いている。軸の先は次第に細くなって40〜60cmの糸状に長く伸び、下に垂れている。和名はこれを浦島太郎の釣糸に見立てての名。仏焔苞は暗紫色で長さ12〜18cm。果実は液果で赤く熟し、黄褐色の種子が1つ入っている。北海道(南部)、本州、四国に自生するウラシマソウ Arisaema urashima HARA によく似ているが、花序の延長した部分(付属体)に小じわが沢山あることで区別出来る。

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