1998年9月15日
田代海岸

 屋久島の枕状溶岩は、推定一億年程前にここより遥か南東の海底で噴き出したものが、フィリピン海プレートの動きに乗り少しずつ北西に移動してきて、ユーラシアプレートの下に潜りこむ琉球海溝の所で砂や泥の層(後の熊毛層群)と一緒になってしまったものである。その後プレートの動きや、地下深所から浮上してきた花崗岩の動きにより、熊毛層群もろとも地上に姿を現した。

 屋久町指定天然記念物。
  枕状溶岩
英名:pillow lava

 枕状溶岩は枕を積み重ねたような面白い形をしている。これは玄武岩質のマグマが海底で噴き出した時に出来る。玄武岩質のマグマはハワイのキラウェイ火山に見られる様に、非常にサラサラしていて水の様に流れる。日本では伊豆大島の三原山の噴火で見られた。玄武岩質のマグマは本来この様に流れやすいのが特徴だが、海底では急冷によりすぐ固まってしまうので、マグマはゆっくりとしか噴出出来ない。丁度チューブから練り歯磨きを絞り出した様な塊が次々に出てきて、枕を積み重ねた様になる。

玄武岩(英名:basalt):火山岩の一つ。細粒、緻密で塩基性の火山岩。斜長石、輝石、橄欖(かんらん)岩、磁鉄鉱などからなり、暗灰色から黒色。しばしば柱状の節理(規則的な割目)をなし、多くの石柱を立てたような壮観となる。和名は兵庫県の玄武洞から。建築用。

火山岩:火成岩の一つ。地下深所にある高温のマグマが地表に流出して冷却凝固して出来る。安山岩、流紋岩、玄武岩などがある。噴出岩。

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