KKB鹿児島放送 2013年2月26日
米軍訓練移転問題の中…映画「馬毛島クロス」完成

 アメリカ軍の空母艦載機離着陸訓練、FCLPの移転先とされる馬毛島について、出身者たちの声が映画になりました。脚本、監督を務めたのは種子島出身の女性です。映画の舞台は東京。種子島の出身者が集う実在のカフェを舞台に、既に上陸出来なくなった馬毛島に、再び渡りたいと願う出身者の思いを描いた作品です。アメリカ軍の移転反対を声高に叫ぶのではなく、遠く離れた故郷に誰もが持つ思いを、静かに丁寧に描こうとしています。原案から脚本、監督までを努めた島春迦さんが、今日KKBを訪れました。高校卒業まで西之表市で過ごした島さん、現在は埼玉で暮らしています。島さんの子供時代、馬毛島はまだ緑豊かで多くの人が暮らし、種子島との船の行き来も頻繁でした。高校時代は馬毛島出身の同級生もいたと言います。寄付金を集め、ボランティアのスタッフで作った映画は既に完成し、先週末は種子島で試写会もありました。エンディングには、かつて馬毛島で多くの人が暮らした時代の写真も登場します。この数十年で私たちが失ったものについて、考えるきっかけとなるのかも知れません。

馬毛島の自然を守る会・屋久島