熊毛4市町長、議長が防衛省に反対要請


 さる9月2日、西之表市長をはじめ熊毛郡内の市町長、各議会長がそろって防衛大臣を訪問し、馬毛島への米軍夜間訓練場建設反対を申し入れました。
 「この頃、西之表港への自衛艦の寄港が多くなっていること、今年度に米側と自衛隊の共同で現地調査を実施すると報道されたことなどを示し、実際どうか」と質問したところ、「米国側との合意が最優先事項だが、まだ、その協議が整ってないので、何も決定してない。公表できるものはない」との回答があったことが議会で報告されました。

夜間訓練の空域は、縦45km×横24km
 この交渉で、基地での騒音について質問したところ、「訓練時は、風向きにより異なるけど、進入方向の空域で45km、左右の旋回で24kmが訓練空域に入る」との説明があったそうです。
 一般に予測されていた範囲よりも広範囲で、南北方向の滑走路を使った場合、大隅半島から南種子町の全域、東西は種子島の東海岸の5km以上から屋久島宮之浦と開門岳を結ぶ線までがジェット戦闘機の飛ぶ空域で、東西方向の滑走路を使った場合、中種子町、西之表全域から竹島の先までの空域です。
 訓練は、朝9時から夜中の2時まで、6機編隊で、1分間に6機がタッチアンドゴーの離着陸を繰り返すので、10秒間に1機が飛んでくることになりそうです。
 種子島の東海岸では「こちらには飛んでこないし、国からお金も欲しいので賛成」との意見も比較的多く聞かれましたが、種子島では全域が真上にジェット戦闘機が飛んでくる地域になるようです。
 ジェット機の真下の騒音は130デシベル、6kmの距離で“鉄道のガード下の騒音といわれる70デシベル”と言われており、人間も、牛も、海の魚も確実に大変な被害を受けることになります。
 この馬毛島問題は、遅くとも来年7月まで決めることになっており、表に出ない裏の盛んな動きがあることが予想されます。

国が「地元」と扱う西之表市や熊毛で、住民の運動を強め、県知事に「反対」表明を求めましょう
 鹿屋市は「空中空輸機の基地」に政府が決めましたが、住民も市長も反対しているので、県知事も「地元が反対しているから同意できない」と表明しているため、国から米軍再編交付金は今年度も出ませんでした。
 馬毛島問題も、市町長、議会の反対だけでは、知事が「馬毛島への建設に反対」と言ってくれません。
 今、住民運動で熊毛の市町長、議会の反対を応援し、県知事に反対の表明をしてもらうための署名に取り組んでいる鹿屋のように、県知事がどうしたら「反対」を表明してくれるかを考え、住民の運動を強めて行く必要があります。


2008年9月12日 熊毛民報

馬毛島の自然を守る会・屋久島