南日本新聞 2007年2月23日
米軍空母艦載機離着陸訓練 馬毛島が候補浮上
硫黄島代替の恒常施設 防衛省、今後調整へ

 米軍厚木基地(神奈川県)の空母艦載機が太平洋上の硫黄島(東京・小笠原村)で実施している夜間離着陸訓練(NLP)など陸上空母離着陸訓練(FCLP)をめぐり、防衛省が恒常的な訓練施設の候補地として馬毛島(西之表市)を検討していることが22日、分かった。複数の政府関係者が明らかにした。
 今後、馬毛島を軸に調整を進めるが、騒音や安全性の確保に関する西之表市など関係自治体の反発は必至で、難航も予想される。
 馬毛島は種子島の西約12キロにある広さ約8平方キロの島。平たん地で軽飛行機用の簡易滑走路がある。かつては人が住んでいたが現在は無人島状態で、ほぼ全域を開発会社が所有している。
 日米は昨年5月、空母艦載機部隊を2014年までに山口県の米軍岩国基地に移転することで合意。ただ恒常的な訓練施設は「09年7月以降のできるだけ早い時期の選定を目標とする」と明示しておらず、今年3月までに日本側が複数の候補地を選び、米側に提示する段取りになっていた。
 米側は、艦載機が基地を発進し訓練を終えて戻るまで燃料補給を必要としないことを条件に、岩国基地から180キロ以内で選定するよう要求。しかし、対象となる瀬戸内海や九州北部での候補地選びは難しく、圏外の馬毛島が浮上した。

馬毛島の自然を守る会・屋久島