馬毛島の現状(2006年10月10日)
撮影:長野 広美

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マゲシカ研究者、立澤 史郎氏 からのコメント

 この写真を睨んで気づいたことが2つ。

1.ここまで広域の伐採・整地が許可されていたか?特にあの大木でうっそうとしていた、馬毛島唯一の低地照葉樹林が残っていた椎ノ木谷が跡形もない。これも許可内容に入っていたか?

2.これで鳥獣保護区なのか?面積の概算でマゲシカの採食地の60%が失われています。毎日の採食と子育てに利用していた高質な部分が見事に失われているので、利用頭数にすれば8割近く(450/600)のシカの行動圏が失われたことになります。すぐに絶滅とはいかないでしょうが、約600頭で頭打ち状態になっていたのですから、まだ多くのシカたちが生残しているなら、この冬には確実に大量死亡が起こります。かといって、安易に給餌をすれば、これまでほとんど外来種のいなかったこの島に外来草本や昆虫を持ち込むことになりかねない。

 これまで牧場以外に表土を剥ぎ取られたことのない(岩盤を削られたことが全くない)という日本で希有な(自然公園外では日本最大の)無人島がこの姿。これを止められなかった日本の法制度や司法のおかしさを、馬毛島にかかわっている者はしっかり記述しないといけませんね。

 裁判は裁判として、これからの動きはまた仕切り直して全国からの声の受け入れ態勢を作る必要があると思います。とりあえず、まちづくり交流会(11/25)の屋久島のテーマがシカなので、そこで何か動きができればと思います。あとは、何としても現状調査を実現させなければ。

馬毛島の自然を守る会・屋久島