西之表市議会「馬毛島に新たな港をつくることに反対」を採択

 12月18日に、議会の馬毛島特別委員会で「馬毛島に新たな港を作る事に反対する請願書」「馬毛島開発の事業促進を御支援ください」陳情書、「馬毛島に産廃等、めいわく施設を作らせないでください」陳情書、「馬毛島採石事業支援に関する」陳情書について、審議され決議がなされました。
 港に反対する請願書は6月議会に提出されてから継続審査となったもの。12月までの漁師の署名運動の結果、旧西之表漁協組合員の54.5%が反対する署名を提出していました。一方、馬毛島開発の従業員7名による事業促進及び水路(港)建設を推進してほしいという請願書は、先の反対請願書に対抗して9月議会に出されました。
 12月議会に提出された採石事業支援に関する陳情書は立石社長自らのものですが、馬毛島の歴史、特別委員会への不満、馬毛島の住民への行政サービス(連絡船や学校整備など)の要求、市道廃止への要求、もちろん私たち裁判問題についても触れ、水路建設を支援するようにという、陳情書とは言いがたい内容でした。
 委員会の結論は、港(水路)建設に反対し、採石事業支援を不採択としました。続く12月26日会議最終日に、委員会提案が本会議で採択されました。
 さて、今回の審議の中で出てきた立石社長の陳情書は、馬毛島近海の漁業権について触れています。平成15年8月に現在の漁業権見直しがあるので、自ら住民票をすでに馬毛島に移しましたが、それまでに海岸面の土地を個人所有に移転手続きをする、また、新聞インタビューで「熊毛郡馬毛島村」といった行政区独立を示唆したりしています。
 一方、推進派の議員によると、漁協の組合長と専務理事が漁協の経営難を理由に補償金が欲しいので水路計画を推進したいと発言したそうです。年明け早々には、関係小組合の総会や、浜廻り会(地区別会合)が予定され、その後に早い時期に書面決議を実施したいとも言っており、さらにその際に漁師の漁協への負担金を無くすことも条件として提示されるらしいという声も聞こえてきます。漁協の怠慢経営の改善を試みず、減少傾向の漁獲高を尻目に、だから漁業振興はいらないという背任行為でしかありません。予断はまったく許されない状況が続きます。(文責:長野 広美)

馬毛島の自然を守る会・屋久島