公調委で参考人尋問

 6月1日、東京霞が関の公調委で参考人尋問が行われました。6月2日の南日本新聞には次の様に掲載されました。

馬毛島採石
市民側「沈殿池が不備」
公調委 県反論「指針の7.9倍」

 西之表市沖の馬毛島の採石事業は環境破壊を招くとして、市民三人が国の公害等調整委員会(公調委)に鹿児島県の認可取り消しの裁定を求めた審理は一日、東京・霞が関の公調委(平石次郎裁定委員長)で参考人尋問を行い、終結した。裁定結果は県、市民側双方に直接通知する。時期は未定。
 同日の審理で、市民側は採石工事に伴う汚水流出による海洋汚染を問題視。尋問に答えた東京水産大資源維持研究室の水口憲哉助教授(五九)は「沈殿池があっても雨が降れば泥は沈む間もなくあふれる。沈殿池の容量は泥の量ではなく雨水の量で考える必要がある」と、沈殿池の不備を指摘した。
 一方、事業者の馬毛島開発(本社東京)の立石勲社長(六八)は「沈殿池は県の基準に基づいた設計」と主張。採石事業を認可した県工業振興課の前野昌徳技術補佐(五七)は、雨量は種子島で五十年に一度あるかないかの時間雨量一〇五ミリに設定したとしたうえで、「沈殿池は県の林地開発事務処理指針の七.九倍の規模」と反論した。
 審理を傍聴した申請人の一人、漁業浜田純男さん(四六)は「自然は先祖から伝えられた借り物で後に残す必要がある。自然をないがしろにする計画については慎重すぎるほど検討して判断してほしい」と話した。

馬毛島の自然を守る会・屋久島