馬毛島開発の工事現場を調査

 4月22日、馬毛島の自然を守る会とその弁護士、専門家が馬毛島を訪れ、工事現場などを調査しました。弁護団は専門家の意見をまとめ、次回審議が行われる5月10日、鹿児島地裁に証拠として提出する方針です。馬毛島開発は着々と工事を進めています。この日は私たちが上陸したすぐ先で馬毛島開発がバリケードを張り、私たちと1時間くらい押問答をしました。その結果、海岸線なら通っても良いということで、馬毛島開発の立石社長自ら私たちを現場まで案内しました。
 4月23日の南日本新聞には次の様に掲載されました。

馬毛島採石差し止め申請
住民側が現地調査
意見書、鹿地裁に提出へ

 西之表市沖にある馬毛島での採石事業をめぐり、事業者の馬毛島開発(立石勲社長、東京)の工事差し止めを求めて、鹿児島地裁に仮処分を申請した市民グループ「馬毛島の自然を守る会」(田添辰郎代表)のメンバーらが二十二日、同島を訪れ、工事現場などを調査した。専門家の意見をまとめ、次回審議が行われる五月十日、同地裁に証拠として提出する方針。
 調査には海洋汚染などを研究している東京水産大学資源維持研究室の水口憲哉助教授とマゲシカの専門家で京都大学理学部研修員の立沢史郎さんが同行。立石社長が立ち会う中、まず採石現場から海に注ぐ沢の状況を調査した。
 さらに、採石現場の隣に造られた汚水沈殿池を視察した。同沈殿池は幅四十メートル、長さ七十メートル、深さ約七メートルにわたって掘り下げられ、防水シートが敷きつめられていた。立石社長は「きれいな水だけポンプで海に流し、泥は絶対出さない」と説明した。水口助教授は「通常は問題なくても、梅雨時や豪雨時には溢水する恐れがありうる」と指摘した。
 調査を終えた市民グループ側の菅野庄一弁護士は「二人の専門家に現地を見てもらい、目的は達した。彼らの意見を裁判所に証拠として提出したい」と話した。
 採石現場は現在、表層をならす作業をしており、立石社長は「採石後に港にする場合、漁協と十分話し合いたい。島のほかの場所の活用法は、いろんな意見を参考に取り組むつもり。(採石後に)産廃を持ち込むことは断じてない」と強調した。


馬毛島開発と押問答


メダカやドジョウのいた川が潰された




 樹木を伐採し開かれた土地は数ヘクタールに及び、赤土が露出している。メダカ(環境省絶滅危惧II類)やドジョウのいた川は潰され、土砂が海に流れるのを防ぐための沈砂池となった。その傍に新たに川を掘り、流れは完全に変えられてしまった。



西之表市の文化財に指定されているソテツ群


西之表市の日典寺にて馬毛島調査報告

馬毛島の自然を守る会・屋久島