山で救助犬の訓練をしていることにより
ガイド登録から排除されたことに対する意見
(「屋久島ガイド登録・認定制度に関するアンケート調査」に対する答より抜粋)

 10月から屋久島ガイドの登録が始まったが、私たちは山で救助犬の訓練をしていることから、「屋久島ガイド共通ルール」の項目13、「山に動物を連れて行かない。(盲導犬・介助犬・聴導犬を除く)」に同意できず、登録から排除された。

 私たちはエコツアーの仕事が軌道にのり、更にガイドとして必要な安全管理・防災管理・危機管理という観点から、アマチュア無線の中継局の管理運営と救助犬の育成を始めた。

 犬は「病原菌を運ぶ」という意見もあるが、山に入るのに病気の検査など受けていない大勢の登山者(しかも避難小屋ではその屎尿を付近に埋めているだけ)と、しっかり健康管理をしている僅かな犬と、どちらが生態系に悪影響を及ぼしているかは明白だろう。また「サルやシカが逃げる」という意見もあるが、サルやシカは人馴れしすぎている。中には餌付しているガイドもいる。人や犬を見て警戒するのが本来の野生生物の姿だろう。救助犬はサルやシカを追う訳ではないのだから、さしたる影響はないはずだ。また「犬が嫌いな人もいるから」という意見もあるが、多くの人が生活する里では犬が問題視されないのに、レジャーで行く山では犬を認めないのはどういうことか甚だ疑問に思う。

 救助犬の訓練は、犬と一緒に遊ぶ感覚だから、犬の好きな参加者にはとても喜んでもらえる。アニマルヒーリングという視点からも、エコツアーに犬を同行することはとても有利なことだ。参加者は犬がいることで癒され、楽しめ、相乗効果でエコツアーそのものが楽しくなり、私たちがエコツアーの中で特に重点を置いている環境問題、一次産業問題など、シリアスな話題でもすんなりと受け入れてもらえる。つまりツアー中の救助犬の訓練も、エコツーリズムの推進にしっかりと貢献している訳だ。登録・認定がエコツーリズムを推進することを目的としているのであれば、エコツーリズムの多様性を無視することはそれに逆行しているということになり、ナンセンスではないだろうか?考え方を変えれば、右肩下がりの屋久島の観光を上向ける一助ともなりうるはずだ。

 先を見通した公平な立場で、登録・認定についてしっかりと検討していってほしい。

Earthly Company
木下 大然

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