屋久島マナービデオの作成についての意見交換会

 環境省屋久島世界遺産センターにおいて、環境省自然保護官、観光協会副会長、ガイド15名が参加し、屋久島マナービデオの作成についての意見交換会が開かれました。屋久島におけるルールとマナーについて、環境省が用意した書類を元に話し合われましたが、その中で「自然環境を保全するために守るべきマナー」として次のような内容がありました。

●ペットを持ち込まない(病気などを野生生物に移す、野生生物を追いかける・吠えることへの悪影響、利用者への迷惑など)

 他にもいろいろなルールやマナーが出されましたが、ここでは上記の点についての意見のみを記します(要約)。

 自然保護官(東岡)>犬を媒介したエキノコックスなどの寄生虫を持ち込む危険。野生生物に対して吠えたり追いかけたりして生態系に悪影響を与える。犬が嫌いな人への迷惑。

 木下大然>私の犬はペットではなく救助犬である。盲導犬、聴導犬、介助犬など国会で認められた使役動物もいるのだからマナービデオ、マナーガイド、登山口の看板などに「ペットの持ち込みはやめて」の付帯事項として「使役動物は除く」と一言付け加えて欲しい。寄生虫などの病気に対する予防はしている。犬が嫌いな人がいた場合はリードを短く持ち道を譲る。

 ガイドA>犬と一緒に山を楽しむ権利を奪わないで欲しい。少しくらいシカやサルを追いかけたからと言って生態系に対する悪影響はない。屋久島では昔からヤクシマイヌを飼って狩猟に使ってきたが、それでサルやシカが激減したということはない。犬の病気がシカやサルに移るとは考えにくい。他人に迷惑ということをあげればタバコや山小屋でのマナーなどきりがない。

 ガイドB>今のシカは人間に馴れすぎているから、野生を維持するためにも多少犬に吠えられて人間との距離を保つ方が良い。

 ガイドC>2年前、救助犬が入って捜索した時は発見できなかった。何の役にも立たないじゃないか。

 他にも意見はありましたが、ほぼ同じような内容です。殆どの人は犬を連れて入ることに肯定的でした。

 最終的にどのようにするのかはまとまりませんでした。

 後に作成されたマナービデオには、ガイドの意見はほとんど反映されませんでした。

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