雪崩捜索訓練
2004年1月6日
 標高1200メートルの紀元杉付近で、雪の中に人を埋めて雪崩捜索訓練をした。倭賢、香里、大然の順に隠れて捜索させたが、いずれもすぐ雁に見付けられた。雪の中に完全に人が埋まっている場合には、雁はすぐに吠えずに、ある程度雪を掘って中に人がいることを確認した上で吠え始める。

1.雪に穴を掘り、ブルーシートに包まって隠れる

2.ブルーシートで覆う

3.雪を被せる

4.捜索し、見つけると前足で掘る

5.中に人がいることを確認し、ワンワン吠える

6.中にいる人がご褒美を与える


──山下國廣氏(雁の父犬のハンドラー)からのアドバイス──

 吠える前に掘り始めるのはどの犬も自然にやるようです。遭難者に近づこうという行動を強化するのは、捜索意欲を高めるためにも必要なことですから、訓練としては、遭難者の所まで到達して吠える、というのが一番良いと思います。雪が深くて犬だけでは掘り出せない場合は、ヘルパー、ハンドラー以外の協力者(擬似捜索隊)が掘るのを手伝ってやります。ハンドラーが掘ってやると、ハンドラーを呼ぶために吠えるようになり、ちょっと気になる場所があると気軽に「ここ掘ってみて」とハンドラーを見ながら吠えるようになるのでよくありません。

 なお、雪崩捜索で吠えることについて一部には議論もありますが、雪崩再発の危険については科学的根拠に基づいた弱層テストで判断し、危険が大きい場合には捜索に入るべきではありません。

 また、足跡追求的な探し方になったり、人がいじった痕跡を手がかりにするような癖がついたりしないように、雪に馴れた後は、ヘルパーを埋めた後は周辺にも掘り返した場所を作ったり歩き回って足跡をつけたりして、生身の人間の臭気以外の手がかりを作らないようにしていきます。


雪崩、弱層テストに関するリンク

中山建生の雪崩情報ページ

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