ΨΨΨ 縄文杉(じょうもんすぎ) ΨΨΨ
 
(2003年2月10日撮影)
所在地:高塚山登山コース
幹周:16.1m
樹高:30m
推定樹齢:3000年以上
(7200年説あり)
   縄文杉が七千二百歳だというのは、この杉が地面から生えた一本の杉だとして、この環境でこの太さに育ったことからの推定です。大きな株の上に杉が育ち、その株を取り巻いて太く見えるという説もありますが、中は空洞になっているので本当の樹齢は分りません。

 この辺りは江戸時代から杉が伐採されていましたが、当時は平木(板瓦)を作るために杉を伐採していたので、縄文杉のような曲りくねった杉は平木には向かないということで残されました。そして昭和41年頃から新たに縄文杉という名で広く世に知られるようになり、僅か2〜3年の内にその周辺の木が伐採されました。それは縄文杉をもっと見やすくするためにやったことですが、縄文杉にとっては決して良いことではありませんでした。今まで周りの木に守られてきた表土が流れ、更に人が歩いて根が傷んできました。一時は小杉谷に土を用意して登山者に縄文杉まで運んでもらうこともしていましたが、登山者が登ればそれ以上の土が流出するし、環境の違う土を持ってくることも問題です。

 平成7年度にはテラスが造られて縄文杉周辺は立入禁止になりましたが、
そのテラスは防腐剤を加圧処理した材を使用しているので人や自然環境に対する影響が心配です。また一面に板張りなので下に太陽の光が届かず森の再生を妨げています。

 
平成12年3月および13年3月には根元周辺の土壌の改善と排水・土留対策を行い、ハイノキ、シキミなどの苗を植え付けました。ようやく良い方向へ向かい始めたような気がします。この苗が成長すれば周りに潅木の林が復活し、縄文杉の根を守ってくれることでしょう。
   縄文杉のような巨木が育つためには豊かな森が必要です。縄文杉を中心に周りの森があるのではなく、屋久島の豊かな森があったからこそ縄文杉が育ったのだということを踏まえて、屋久島の素晴しい自然を残していって欲しいものですね。


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