屋久島町
一湊(いっそう)





   一湊は屋久島の一番北にある集落で、志戸子寄りに矢筈と呼ばれる大きな半島があります。矢筈の西側には漁港と海水浴場があり、砂浜にはウミガメが産卵のために上陸します。東側の元浦港から矢筈岬にかけてはダイビングスポットで、大きなテーブルサンゴなどが見られます。矢筈には神社、キャンプ場などがあります。また一湊川上流には県指定の天然記念物「ヤクシマカワゴロモ」が生育しています。
 一湊川河口右岸の砂丘には松山遺跡があります。これは縄文前期から弥生時代までの遺跡で、屋久島の原始社会を代表する豊富な遺物・遺構が出土しました。昭和26〜27年、33年、55年と3次にわたり発掘され、55年には上屋久町教育委員会が県と協力して発掘し、市来式土器の祖型となる松山式土器を発見したことで知られています。中央部分は既に測候所等の建設で破壊されていますが、周囲にはまだ未調査部分もあります。右の写真はここから出土した土器を復元したもので、宮之浦の屋久島町歴史民族資料館に展示されています。左が曾畑式土器、右が轟式土器です。  
首折れサバ
 
 一湊はサバ漁が盛んで、一本釣りによる漁が行われています。ここで捕れるサバの殆どはゴマサバという種類です。ゴマサバは南九州以南の沿岸に多く、本州沿岸で見られるマサバと違い脂肪分が少ないため、鯖節に加工され蕎麦の出汁の材料として関東方面に多く出荷されています。また鮮度を保つため釣ってすぐ首を折って血抜きをした「首折れサバ」は刺身でも食べられます。

 吉田寄りの海沿いには大浦の湯があります。
 
吉田(よしだ)
 吉田は海岸まで花崗岩で覆われています。土地は斜面が多く、畑も小さくて、畑の中に大きな花崗岩が転がっています。県道沿いには鯖節工場があり、近海で獲れたゴマサバを鯖節に加工しています。天日に干す前の鯖節は軟らかくて、切って醤油を付けて食べたり、麺類、サラダなどに入れても美味しいです。  


  薫製室から出したところ  











( 0997-44-2700
   鯖節の製造工程
  1. ゴマサバを茹でます。
  2. 首を落し背骨を取り除きます。
  3. 均等に水分が廻るように蒸します。
  4. 薫製にします。
  5. 細かい骨を取り除きます。
  6. 天日に干し黴付をします。


屋久島だより(屋久島の素晴しい自然と私たち家族の紹介)
 
Earthly Company(屋久島エコツアーガイド)