2011年12月18日 鹿児島県熊毛郡屋久島町
ニホンミツバチの採蜜
 採蜜の道具。上からハイブツール、蜂ブラシ、蜜刀、チーズナイフ、蜜蓋スクラッチャーで、奥はステンレス製蜜こしとボール。

 ハイブツールは蜜蝋でくっついた所の隙間に入れて梃子の要領で離したり、巣箱に付着した蜜蝋をかき取るために使用{ハイブ(hive)はミツバチの巣箱}。蜂ブラシはミツバチを傷付けないように払い落としたり、移動させるために使用。蜜刀は蜜蝋でくっついた所を切り離したり、巣蜜を切るために使用。チーズナイフは刃が薄いので蜜刀が入らない隙間に使用。蜜蓋スクラッチャーは巣蜜の蜜蓋をかき取ったり、採蜜後の巣をばらしてミツバチが舐めやすくするために使用。

 蜜蝋でくっついた蓋の隙間にチーズナイフを差し込み、ハイブツールで少しずつ隙間を広げながら蓋を剥がしていく。

 ミツバチに刺されないように雨具を着て帽子と面布を被り、ゴム手袋を着けて作業をする。

 蓋を剥がしたところ。

 上から団扇などで空気を送り、ミツバチを下に移動させる。

 蜜刀、チーズナイフ、ハイブツールなどを使用して巣蜜を採っていく。

 上から20cmほど採ったところで終え、残りの蜜はミツバチの冬越し用に残しておく。

 この巣箱は丸胴型なので、採蜜した上部は空間となるが、ミツバチは下から巣を盛り上げるように作りながら貯蜜していくので問題ない。

 蜂ブラシでミツバチを移動させながら、ミツバチを潰さないように慎重に蓋を戻す。

 たくさんのミツバチが巣箱の外に出てきている。

 この丸胴型巣箱は、ウラジロエノキの倒木をチェーンソーで刳り貫いて作ったもの。ウラジロエノキは屋久島を北限とする熱帯植物で、成長が早いので材が柔らかくて加工しやすい。

 ボールの上に蜜こしを乗せ、その中に巣蜜を入れて切り、垂れ蜜を採る。

 垂れ蜜は巣蜜を潰したり遠心分離したりせず、巣蜜を切るだけで常温で自然に蜜が垂れるのを待つので、時間はかかるが上等の蜜が採れる。

 垂れ蜜をビンに入れる。

 垂れ蜜を採った後の巣蜜にも、まだたっぷりと蜜が残っているので、次は手搾りで蜜を採って別のビンに入れる。

 この時は垂れ蜜と搾り蜜と併せて6kgほどの蜂蜜が採れた。

 搾り滓はばらしてミツバチの巣の近くに置くと、ミツバチが綺麗に舐めてくれる。人間にとっては僅かな蜜でも、ミツバチにとっては貴重な食料。

 ミツバチが舐め終わった搾り滓は蜜蝋を作るために保存しておく。ただし、スムシ(ハチノスツヅリガ)の卵や幼虫が付いている可能性が高いので、なるべく早めに処理をする。

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